お久しぶりです.御宿紀行とありますが,御宿へ出発する前にしばらく名古屋で巻き起こっていた出来事を一緒に追っていただけると幸いです.
前回の記事に貼ったMP10-FALKENの動画に叶わなかった二機の悲願を達成するとありましたが,2020年度はMP10に至るまで途中で製作が断念されてしまったMP08-AquamarineとMP09-(名称未定)の二機が存在しました.
MP08-Aquamarineは2020年3月の伊豆大島に向けてNRD初の海打ちとK型タンクの搭載,及び多段式の点火を行う高度1kmを目指す予定の機体でしたが,1月ごろに発生した新型コロナウイルスの影響で大会が中止となってしまい製作が早い段階で打ち切られました.この大会には今回の2020年度のリーダー陣ではなく,一つ上の代の先輩方が仕切っていた2019年度のリーダー学年の引退試合ともいえるべき大会だったのですが,残念ながら先輩方たちは最後の伊豆大島へ行くことなく引退となってしまいました.
MP09-(名称未定)は2020年度のリーダー学年,つまり今回の御宿大会を仕切っていた学年が着任して開発に着手した機体で,製作が途中で止まったMP08-Aquamarineの部品を流用し能代宇宙イベントに向けて陸打ちでリアクションホイールを搭載する予定の機体となりました.独逸語で鷹の意味を持つFALKENという名前を与え,コロナ流行初年度で大学の授業や課外活動が制限されるなかで少しずつ少しずつ製作を進めていたこの機体ですが,能代宇宙イベントを目前に大学からのNOGOを受けたためにこの機体の打上も叶うことはありませんでした.その時点でのMP09-FALKENの紹介記事がこれだったのです↓
能代参加中止を受けて次の照準を3月の伊豆大島共同打上実験に見据え,MP09に加えてMP10の製作も開始しました.この機体では今までボディーチューブにおいてハンドレイアップで成形したCFRPを用いていた部分を,プリプレグという熱硬化性のカーボンクロスに置き換えることで強度をさらに強くする,かつてMP08で断念した海打ちのために水密機構を施すといったミッションを達成するための機体としてスタートしました.製作途中であったMP09-旧FALKENに搭載予定だったリアクションホイールを海打ちのMP10へと移植し,MP09には予てより準備を進めていたNRD初の自作エンジンを搭載するための機体として陸打ちをするという方針を固め,2020年度リーダー学年の最後の大仕事が始まりました.初めての海打ちでうまくいくかもわからない水密区画のなかに,これまた初めての試みである重いリアクションホイールを載せるというめちゃくちゃなミッションに当時は部員同士やばいやばいと笑っていましたがこれが後に御宿大会までの想像を絶するような地獄の始まりだったのです.
つづく(続けば)
とりあえずお話の中で後期機体の製作がスタートしようとしているのでポツンと過去に浮いていたこの記事を張っておきます↓
ではまたお会いしましょう👋(御宿要素なさ過ぎてすみませんもうしばらくお待ちを)