皆様お久しぶりです.NAFTロケット班元PMです.先月,東京都伊豆大島で行われた第24回伊豆大島共同打上実験に参加してきました!今回は,本実験について報告させていただきます!
2023年度後期は,NAFTのハイブリッドロケットのシリーズであるMasterpieceシリーズの15号機となる「Masterpiece-15 Spinel」の開発を行ってきました.本機体のミッションは「動翼を用いたロール制御」になります!ミッションの背景や,機体名称やロゴ,製作中の様子については以下の投稿をご覧ください!
結果について
結果の概要
まず初めに,結果について大まかに書かせていただきます!
「Masterpiece-15 Spienl」は2024年3月26日の実験において,正常に点火・離床し,上昇することができました!また,機体の一部の回収も行うことができました.ロール制御に関しては,地上局で機体姿勢に関してのデータが一部受信できたもののデータ送信レートの都合により制御結果を確認できるほど詳しいデータを得ることができず,また機体側のログも回収を行うことができなかったことから,不明という結果になりました.
結果詳細
次に,もう少し詳しく結果について書かせていただきます!
まず,実験初日,3月25日に関してです.
この日は朝6時頃から作業を開始しました.しかし,不具合などにより点火シーケンスへの移行は15時ごろとなりました.点火シーケンスに移行後,点火操作を行うも不点火.調整を行うも,ウィンドウ等の都合により25日の打上げは断念という結果になりました.
不点火の原因に関しては,地上支援設備に不備がなかったことから,途中で待機時間があった際にエンジン内部が雨に濡れ,そのことによって点火のためのスパークが正常に発生しなかったのではと考えられます.
25日に得られた反省点をもとに,26日に臨むこととなります.
26日は,午前2時ごろより作業を開始しました.途中,天候が悪化し作業を中断することもありましたが,午前6時7分に点火シーケンスに移行しました.26日の打上げウィンドウはこの6時のみという中で,午前6時9分20秒に無事に点火・離床し,上昇を行うことができました.その後,回収船によって機体の一部を回収することができました.
先にもある通り,地上局により機体姿勢に関する一部データを得ることができましたがデータ量が少なく,機体側のログは得られなかったことから,制御結果を判断するのに十分なログが回収できませんでした.よって,メインミッションの制御に関しては結果が不明,未達成となってしまいました.
26日は,時間帯によっては非常に天候が悪く,先生や実験運営の皆様には安全管理をはじめとして多くの面でサポートいただきました.
より詳しい内容に関しては,伊豆大島共同打上実験のwebページにて報告書が公開されております.もしよければ,こちらからご覧ください!
おわりに
今回の実験では,団体で久しぶりの制御への挑戦ということもあり,得られるものが非常に多い実験となりました.今回の実験で得ることができた技術や経験を次の機体に活かしていきたいと考えています!
また,最後にはなりますが,実験の実施にあたり協力いただいた近隣住民の皆様や,実験実施のために多大なサポートをくださった先生方や学生実験運営の皆様など,お力を貸して下さった多くの皆様にこの場をお借りして深く御礼申し上げます.ありがとうございました.
2024年4月よりNAFTのリーダーとなる代が替わり,次の機体からは新リーダーの元で開発・製作していくことになりますが,引き続き安全第一で取り組んで参りますので,今後ともどうぞよろしくお願いいたします.